どちらもお金を受け取れて返す必要のない制度のようだけど、違いが詳しくわかりません。
あと、補助金や助成金を活用する際の留意点があれば教えてください。
→そんな悩みにお答えします。
ナカムラリョウ
目次
1.補助金と助成金の違い
1−1.補助金と助成金の違い
補助金も助成金も、どちらも国や自治体などから受け取ることのできる、返済不要のお金です。
ただし、次のような違いがあります。
応募書類を提出し、審査に採択されてはじめて受け取る権利が得られます。
主に経済産業省や、自治体などで利用されています。
主に厚生労働省などで利用されています。
1−2.補助金・助成金の具体例
全国的に活用されることが多い補助金・助成金の具体例を紹介します。
- ものづくり補助金 ものづくり企業などの「設備投資」を対象とした補助金で、機械装置などの一部(補助率1/2〜2/3、上限額1,000万円)が補助されます。
- 小規模事業者持続化補助金 小規模企業の「販路拡大の取り組み」を対象とした補助金で、取り組みの一部(補助率2/3、上限額50万円)が補助されます。
- IT補助金 中小企業の「IT投資」を対象とした補助金で、IT投資の一部(補助率1/2、上限額450万円〜下限額40万円)が補助されます。

- キャリアアップ助成金 非正規雇用の労働者のキャリアアップを目的とした企業むけの助成金です。コースによって、助成金額が異なります。
- キャリア形成促進助成金 雇用する労働者のキャリア形成を目的とし、従業員の能力開発に対して助成が受けられます。
- 雇用調整助成金 景気変動などにより売上が下がった場合に、休業など雇用調整が必要になったときに受けられる助成金です。
これらの情報は、毎年少しずつ変わっているため、必ず最新の情報をご確認ください。
またこのほかにも、各自治体で独自に行っているものなど数多くの制度があります。
自社につかえる補助金・助成金の探し方は、次の記事で解説しています。

2.補助金・助成金を活用する時の留意点
2−1.使用目的が決まっている
補助金・助成金は返済不要のお金ですが、何にでも自由に使えるものではありません。
なぜなら、税金の使い道のひとつだからです。
そのため、公に決められた(皆が納得する)目的に合わせて使う必要があります。
目的とは例えば、「地域資源を活用して新商品を開発し、地域経済を活性化させる」や、「創業を通して、新たな雇用を生み出す」といった、税金を使う目的です。したがって、その目的にそれぞれ合った使い方をしなくてはいけません。
そのために、「こういう風に使います」と事前に書類を提出する必要があります。
2−2.予算・時期に限りがある
補助金・助成金の予算や、応募できる時期には限りがあります。
補助金・助成金が税金の使い道である以上、お金が無限に湧いて出るものではないので、基本的には年度ごとに力を入れる分野・目的に対して予算が付き、消化されていきます。
そのため、タイミングによっては、自分がやりたい取り組みに該当する補助金・助成金がなかったりします。
一般には新年度始め(4月)前後が、一番予算が充実している時期です。
2−3.すぐに受給できない
応募書類を提出して、補助金・助成金を受け取る権利を得ても、すぐにお金を受け取れるわけではありません。
まず応募書類に書いた通りの「取り組み」を先に実施する必要があります。
それが終了したあと、検査などを経てようやく受給することができます。
長いものでは、取り組み開始から1年以上受給できないものもあり、またその間の資金は自分で立て替えておく必要があるので、立て替え資金を用意できず断念する方もいます。
2−4.内容変更が容易ではない
取り組みは、応募時に提出した書類に基づいて審査が行われ、補助金・助成金の可否がされます。
つまり取り組みが可と判断されたのは、応募時の内容です。
したがって、書いたことと実行したことが全く違うなど、応募時と異なる内容の取り組みを行った場合は、補助金が支給されない場合もあります。
また、いろんな制約が出る場合もあります。
これまでの例では、出張旅費として、ホテルの宿泊費は旅費として補助金の対象となりますが、朝食は補助金対象外なので朝食付きでホテルを予約してはいけない、などのケースもありました。
まとめ
・補助金は条件を満たしていても受け取れないことがありますが、助成金は条件を満たしていれば必ず受け取れます。
・お金の使いみちや、応募の時期などに限りがあり、またすぐに受給できないこともあるなど「留意点」をしっかり押さえた上で活用を検討することをおすすめします。

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