事業計画書の意味と書き方【目的・ポイントを説明します】

はじめて事業計画書を作ります。資金調達をしようとしたら事業計画書を求められました。

でも何を書いたらよいかわかりません。

事業計画書の書き方を教えてください。

→そういった悩みにお答えします。

1.事業計画書とは?

1−1.事業計画書の意味

事業計画書とは、事業を形にするための具体的な方法を示した設計図です。

横軸を時間の経過とし、左端に現状、右に将来像(一般には3〜5年後)をとったとき、「現状から将来像に向けて到達するための道筋」を具体的に示したものが事業計画書です。

事業計画書の意味

 

世の中には、事業計画書の「ひな形」や「フォーマット」がたくさん存在していますが、これを作ればいい、という正解はありません。


次に説明する「目的」に応じて、必要な内容を書くことが求められます。

 

1−2.事業計画書を作る目的

事業計画書を作る目的は、

①自分のために作る

②他人の協力を得るために作る

の大きく2つに分かれます。

 

①自分のために作る

経営者に不可欠な能力として、セルフコントロール力があります。

長く事業を続けていくためには、感情や欲望を自制する力が重要ですが、人はつい感情で動き、安易なほうに流されてしまいがちです。

 

そこで自分のために「事業計画書」を作成し、計画と進捗を照らし合わせながら経営を進め、事業の軌道修正にスムーズに対応できるようにするために活用します。

 

つまり、経営のものさしとして「事業計画書」を活用する、というのが1つ目の大きな目的です。

事業計画は経営のものさし


②他人の協力を得るために作る

事業は決してひとりでは成り立ちません。

資金が必要になったり、従業員の力が必要となったり、取引先からの支援が必要となったりします。

 

このように他人に協力をしてもらうことが必要になったとき、経営者が頭の中で考えている現状と将来像を具体的に紙に落として提示することで、協力者と共通認識を得ることができます。

 

つまり、コミュニケーションの道具として「事業計画書」を活用する、というのが2つ目の大きな目的です。

 

 

金融機関からの資金調達や、補助金の申請などに求められる事業計画は、この②の目的のために作成されるものです。

1−3.事業計画を作る効果

事業計画書を作る効果には、資金調達が実現するなど「直接的」な効果のほかに、

「ビジネスの優位性や、経営方針が明確になる」

「社長業を再認識、社員の意識改革につながる」

といった副次的な効果もあります。

 

また、事業計画を国や自治体に認定してもらう制度もあり、認定を取得することで信用が向上するほか、「資金調達の金利優遇、税制優遇」などを受けられるものもあります。

参考 経営革新計画中小企業庁 参考 経営力向上計画中小企業庁
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2.事業計画書の材料集め

*ここからは、「他人の協力を得るために作る」事業計画について解説します。

現状整理の方法は「SWOT分析」などさまざまな手法がありますが、フォーマットを意識する必要はありません。

自分の事業内容・お客様・競合(ライバル)の3つが押さえられていればじゅうぶんです。

 

ひとつずつ確認します。

2−1.現状整理(自分の事業内容)

自分の事業について、5W1Hを用いて整理します。

5W1H
  1. いつ(When)→いつお客様に価値を提供します(しています)か?
  2. どこで(Where)→どこでお客様に価値を提供します(しています)か?
  3. だれに(Who)→お客様は誰ですか?
  4. なにを(What)→お客様になにを(どのような価値を)提供します(しています)か?
  5. どのように(Why)→お客様にどのように価値を提供します(しています)か?
  6. なぜ(Why)→なぜ、あなたがその価値を提供する(している)のですか?

このとき、ひとつひとつを可能な限り具体的に考える必要があります。

例えば「③だれに(Who)」を考えるときに、「30代男性」といった漠然とした表現ではなく、「会社帰りにひとりでマンガ喫茶に寄るような30代男性」のように、人物像がイメージできるくらいまで具体化してください。

2−2.現状整理(お客様)

次に、お客様について整理します。お客様とは、先ほど「③だれに(Who)」で考えたような人たちです。その人たちについて、①数(どのくらいいる)、②数(増えている・減っている)、③どういった傾向がある(好み・嗜好や、不満・苦情)、④今後ニーズはどう変化する、の4点についてご自身の考えやデータを示してください。

ここでも、具体的である必要があります。

2−3.現状整理(競合・ライバル)

現状整理の最後に、競合(ライバル)について整理します。先ほど「③だれに(Who)」で考えた方をもう一度思い出してください。競合(ライバル)とは、その方たちが、みなさんの事業がなかった時にとるであろう、代わりの選択肢です。その選択肢について、①選択肢はどういった人や事業か、②その提供者の数(どのくらいいる)、③その提供者の数(増えている・減っている)、④その提供者の工夫(作戦)、の4点についてご自身の考えやデータを示してください。

ここでも具体性が重要です。

2−4.将来像(目標)の設定

現状整理が終わったら、将来像(目標)の設定です。ここでイメージする将来は、一般に3〜5年と言われています。

なぜなら、それより期間が短いと、期間内に実行できる内容が限られてしまい、一方期間が長いと将来の環境変化が予測できないからです。

 

目標には売上・利益など数値目標のほか、組織や人のあり方、地域への貢献の仕方など、数字で表せない目標を設定しても構いません。

 

ただし楽観的過ぎる目標は、計画の実現可能性を妨げます。構想は楽観的に、でも計画は悲観的に。現実的な目標を設定しましょう。

2−5.事業の方向性

これまでの現状整理を踏まえ、今後の事業の方向性を検討します。

方向性とは、今後「どういったお客様」に対し「どういった商品・サービスを提供していく」ことで、「目標」を達成し、「ありたい姿」を実現する、という事業の通り道のことです。

 

A地点からB地点に移動をすることを考えてください。

B地点に行くには、複数の通り道が考えられますが、方向性とは「この道を通っていく」というルート決定です。

 

経営も同様に、目標を達成するには通る道が複数考えられますが、この道を通ってありたい姿を実現する、という方向性を明らかにします。

2−6.取り組みをスケジュールにする

計画には、必ず「スケジュール」が必要です。

「目標・ありたい姿」と「方向性」が明確になったら、「いつ」「何を行うか」を具体化した行動計画(アクションプラン)を検討します。

3.事業計画書の清書

集まった材料をもとに文章化し、事業計画書を清書していきます。

事業計画書には、次の内容が順に含まれているとよいでしょう。

3−1.自己紹介

はじめて行うことの成功率は、世の中それほど高くありません。

創業時は、過去の実績がないため、成功するかしないかを他人が判断することができません。

 

他人から協力を得るためには、これまでの経験や熱意を示し、少しでも成功する可能性が高い、と評価してもらうことが必要です。

そのため、具体的に「どういった経験」が「どのように役立つ」かを示せるとよいでしょう。

3−2.事業内容

事業内容とは、言い換えると「ビジネスモデル」です。

「現状整理(自分の事業内容)」で整理した内容をもとに、専門用語などを使わず他人が理解できるような簡単なことばで、事業の内容について示しましょう。

3−3.顧客

「現状整理(お客様)」で整理した内容について、根拠も含めて示しましょう。

3−4.競合

「現状整理(競合・ライバル)」で整理した内容について、根拠も含めて示しましょう。

3−5.将来像(目標)

3〜5年後の将来像について、売上・利益など数値目標のほか、組織や人のあり方、地域への貢献の仕方など、数字で表せない目標も含めて示しましょう。

3−6.行動計画

目標を実現するための行動計画について、具体的な内容をスケジュールと合わせて示しましょう。

3−7.数値計画

「行動計画」によって示した行動をもとに、実現するであろう「売上」「売上原価」「利益」などの数値を「各月ごと」に示しましょう。

また借り入れなどを返済する必要がある場合は、返済についても考慮した「資金計画」や、途中で設備投資が必要になる場合は「設備投資計画」など、他人の協力内容に合わせて必要な情報を数値化して示せるとよいでしょう。


事業計画書には、決まったひな形はありません。

用途に応じて内容を追加・修正しながら、自分だけの事業計画書を作成してみてください。

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