「空き家の処分に困っている。
田舎にある一軒家の実家を相続したけど、今後も利用の予定がない。
どのように処分を進めたらよいだろうか?」
→このような方に読んでほしい、空き家処分の体験談です。
目次
1.相続した時の空き家の状況

相続した時の、空き家の状態です。 次のような、さまざまな問題点がありました。
1−1.内部は不用品の山
空き家の状態になってからは、4年ほどが経っていました。
しかし「またいつかここに戻ってくるかもしれない」という思いが家族に残っており、家の中は住んでいた当時のまま放置。
昔ここで商店を営んでいたこともあり、中は売り物にならない商品在庫なども多数残った不用品の山。
一般家庭よりも不用品が多い状態でした。


1−2.建物が未登記の物件
何十年も前から代々住み続けていたのですが、実は建物が「未登記」だったことが判明しました。
借地・借家で住んでいたところを、昭和50年頃に購入。しかし購入した時に建物の登記をしなかったようです。
古くからある物件では、たまにあることのようですが、権利のはっきりしない家に住み続けていたのにはビックリです。

1−3.管理者不在
相続した物件は、豪雪地帯にあります。
冬は屋根に雪が多く積もり、雪の重みで屋根がつぶれてしまう危険性があるため、たびたび雪を降ろしにいかなければならない状態でした。
僕は遠方に住んでおり、これまでは近くに住む親戚の叔母がそうした面倒をみてくれていたのですが、いつまでも甘えるわけにはいきません。

2.空き家処分の準備
2−1.家族会議で「時期」を決める
僕が相続をすると決まったタイミングで、家族で集まり「家族会議」を開きました。
暑い夏の時期でしたが、そこで話し合ったのは、まさしく「時期」についてです。
空き家の処分については、解体する・このまま売却する、などいくつかの方法が考えられますが「どうするかを年内に決めて実行」する、という「時期」を定めました。
空き家のまま、豪雪地帯の冬をもう一度むかえることを避けたかったため「年内」としました。
時期を定めることで、そこから逆算し、家族で役割分担をしながら必要な情報を集めるのが進めやすくなりました。
2−2.情報収集①不用品整理の見積もり
不用品の整理とは言っても、果たしていくらかかるのか、全く予想がつきません。
そこで、数社から見積もりを取ることにしました。
2−3.情報収集②物件解体の見積もり
同じく、物件を解体するにも、どのくらいかかるのか全く予想がつきません。「【解体工事110番】最適な解体業者を紹介できます」を使って、こちらも数社から見積もりを取ることにしました。
2−4.情報収集③物件解体のための補助金
自治体によっては、空き家を解体するための補助金制度が用意されていることがあります。
「空き家解体 補助金 ●●(自治体名)」で検索すると、出てくると思います。
今回の物件がある自治体にも、解体のための補助金がありましたが、残念ながら対象地域が限られていたため、利用することができませんでした。
2−5.情報収集④売却の相談
売却する場合の相場を調べるため、インターネットで一括見積もりをとりました。
入力後、すぐに2社から連絡が入りました。
3.空き家処分の実行
3−1.見積もりの結果 (不動産は負動産だった)
不用品整理を3社、空き家解体を3社、不動産の売却を2社、それぞれ見積もりをとった結果です。

・不用品整理は2社が30万円代、1社が46万円でした。
・空き家解体は、180万円〜270万円と開きがありました。ただし、最安の業者は不用品整理も自社で行うという条件つきでした。
・一方不動産ですが、建物は未登記のため売却することができず、土地の売却は売れたとしても50万円ほど(ただし解体した上で)、うち1社は取り扱い自体難しいということでした。
これらを合算すると、マイナス160万円〜264万円。
つまり、相続によって約200万円の負債を背負ってしまうことになったのです。
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実際に金額を見てあぜんとしましたが…
いずれにしても、家の内部は片付けなくてはいけないので、不用品回収だけをまず先にお願いすることにしました。
3−2.救世主あらわる
そんな時に、救世主が現れました。
この物件を活用して、お店をはじめたいという方が現れたのです。
きっかけは、取引のあった銀行からの紹介でした。
相続で通帳を整理する時に「空き家をなんとかしたいんですよね」と、ちょっとした世間話で話したことが担当者の頭に残っており、ご紹介いただいたそうです。
ただ放っておくだけで、物件を使う予定のない僕にとっては200万円の負債。これを活用していただけるのは願っても無い話。
「使っていただけるなら、無償でおゆずりします。」と、物件を差し上げるお話がまとまりました。
3−3.贈与にあたっての手続き・税金
贈与(無償で差し上げる)にあたっては、物件の名義を変える「登記」の手続きが必要です。
手続きは、登記の専門家である司法書士さんにお願いしました。
また、贈与を受けた側(もらった方)には、贈与税と不動産取得税が発生します。
今回の場合は、手続きと税金合わせて、30万円ほどの費用が先方にかかることになります。
30万円で物件が手に入るなら、と納得していただき、贈与が実現しました。
不動産の取引にかかるお金はいろいろありますが、贈与の場合、あげる方にかかるお金はありませんでした。
●税金や手続き費用を調べるにあたって参考になった記事「相続不動産サイト」
4.体験談からの学び
4−1.家族で時期を決めよう
結論を出す「時期」を決めるのが大切です。売却する、解体するなど、方針まで決められれば尚良いですが、思い入れのある家に、そんなに簡単に結論は出せません。
ただ、時期をいつにするかを決めるだけで、物事が動き始めました。
4−2.不用品片付けは早めに動こう
物件を売却するにしても、貸すにしても、解体するにしても、いずれ内部は空の状態にする必要があります。
特に売却や賃貸を進める場合、内部がきれいな状態でなければ、査定額が下がったり、写真が撮れなかったりするため、デメリットしかありません。
したがって、不用品の回収は、早めに動くようにした方がよいと思いました。でも、いくらかかるかわからず相場も全くわからないので、いくつかの業者から見積もりを取るとよいと思います。
「お片づけ業者一括見積もり」では、見積もり依頼をすると一度で複数社に依頼ができ、実際に現地に来て見積もりをしてくれたので、とても重宝しました。
4−3.解体・売却の見積もりをとろう
解体や売却なども、どのくらいかかるのか全く相場がまったくわかりません。
不安なので、1社ではなく3社ほどから見積もりが取れると、相場がわかり他社との交渉材料にもなります。
これらを使って、一括見積もりをしました。
●不動産解体 【解体工事110番】最適な解体業者を紹介できます
●不動産売却 「不動産売却の一括査定サイト「smoola」」「不動産の無料オンライン一括査定!【不動産査定エージェント】」
まずはこうした準備を先にしておいて、お金に関する全体像をつかんでおくとよいと思います。
4−4.有効活用の方法を調べよう
今回は、物件を無償で贈与することになりましたが、田舎の空き家を使って田舎暮らしをしたい人や、田舎で起業したい人が増えているそうです。
そうした方は、まず空き家バンクで物件を探すことが多いので、自治体の空き家バンクに登録しておくとよいでしょう。
移住・交流推進機構(JOIN) | https://www.iju-join.jp/akiyabank/ |
アットホーム 空き家バンク | https://www.akiya-athome.jp/ |
LIFULL HOME’S 空き家バンク | https://www.iju-join.jp/akiyabank/ |
ほかにも、買ってくれる人がいるかどうか分からないような物件を専門で紹介しているサイトも話題です。
参考 みんなの0円物件 参考 家いちば
また空き家を使って起業したい人に対する補助金なども出ているので、空き家を探している人が相談していることも考えられます。
参考 起業家による空き家活用モデル事業東京都
お住まいの自治体にもぜひ、情報を聞いてみましょう。
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